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株式会社設立の検討事項

  基本事項の検討は非常に大切

   会社を設立する場合、基本事項の検討は非常に大切な作業です。

   この作業によって、会社設立にかかる時間や手間が大きくもなり小さくもなり
   ます。

   また、この時点でどれだけしっかりと検討したかによって、設立後の会社運営
   にも影響してきます。

  1.発起人の検討

    このサイトでは、発起設立による株式会社設立を説明しています。

    発起設立とは、限られた者が会社設立の際に発行される株式を全て引き
    受けるという設立方法のこと。

    つまり全ての株式の引受人が決まった状態であることが前提になってい
    ます。

    発起人は会社設立後自動的に株主にはなりますが、取締役に就任する必
    要はありません。

    最初から人数が多くなると、手続が繁雑になりますので、1〜2、3名でスタ
    ートするのが適当でしょう。

  2.機関設計の検討

     株式会社は、実は非常に“決め事”が多いのが特徴でもあります。

     その一つが機関設計です。

     「機関設計」とは、会社の経営体制をどういう形にするかということです。

     具体的にいうと、取締役会は置くのか?、監査役は?などを決めていく
     作業です。

     株式会社の機関は、新会社法施行後、主なものだけでも20パターンぐ
     らいあります。

     そのパターンの中から、自分の会社にあった機関設計をしていく必要が
     あります。

機関設計パターン一覧

取締役 取締役会 委員会 監査役 監査役会 会計監査人 会計参与
非公開
中小会社
A
B
C
D
E
F
G
H
I
非公開大会社 J
K
L
M
公開中小会社 N
O
P
Q
R
公開大会社 S
T
※株主総会は全会社共通で設置するので割愛
※△の会計参与の設置は任意(○は必須)
※大会社  資本金5億円以上または負債200億円以上の会社
※小会社  資本金1億円以下の会社
※中会社  上記以外の規模の会社

※株式譲渡制限あり=非公開会社
※株式譲渡制限なし=公開会社


機関設計の基本ルール
  ・全ての会社について、株主総会と取締役は設置される
  ・非公開会社の取締役会の設置は任意
  ・公開会社、監査役会設置会社、委員会設置会社の取締役会設置は必須
  ・非公開中小会社で取締役会を設置した場合は、委員会、監査役(会)、会計参与のいずれかの
  設置は必須
  ・公開、非公開に関わらず大会社は、会計監査人を設置する
  ・中小会社の場合、監査役(会)、委員会を設置した場合は、会計監査人を設置できる
  ・非公開大会社、及び公開会社(大中小を問わず)の場合は、監査役(会)、または委員会の
  設置は必須


 ※従来の有限会社はAパターン、従来の株式会社はEパターンにあたる

  3.会社名(商号)の検討

     会社名(商号)は、今後会社を経営していくにあたって“会社の顔”ともなる
     非常に大切な検討事項です。

     あだやおろそかにつけられるものではありません。

     商号のつけ方にはいくつかのルールがあります。

      商号の中に「株式会社」を入れる

        「株式会社 吉田商事」でも「吉田商事 株式会社」でも構いませんが
        商号の中に必ず「株式会社」を入れなければなりません。

      同一住所同一商号は禁止

        旧商法の時代には「同一市区町村内で同じ事業目的の場合は、同
        一商号は禁止」とされていました。

        このときは、全く同じ商号だけでなく似たような商号も禁止でしたが、
        新会社法の施行に伴ってこの規制がなくなり、同一の住所(市区町
        村だけでなく番地までも同じ場合)でなければ、同一の商号も使える
        ようになりました。

      使える文字に制限がある

        漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、アラビア数字、一定の符号
        (「&」「‘」「’」「‐」「.」「・」)のみ使用できます

      「銀行」「証券」「信託」などは使えない

        それらに関する事業を営んでいなければ、使用できません

      公序良俗に反する商号は使用できない

        「殺人」とか「売春」といった公の秩序や善良な風俗の反するような
        商号は使用できません。

      ※商号調査は必要か?

        旧商法の時代には、「同一市区町村内で同じ事業目的の場合は類
        似した商号の使用は禁止」というルールがありました。

        新会社法になってからはその規制が廃止され、「同一住所同一商号
        でなければOK」ということになっています。

        では、旧商法時代に会社を設立するときに必要だった「類似商号調
        査」は、不要になったのでしょうか?

        一概に全く不要とは言えないようです。

        一戸建ての自宅事務所や事業所を構えるならほぼ問題ありません
        が、マンション・アパートの一室とかオフィスビル・雑居ビルの中に
        事業所を構える場合は、一応あたっておくべきでしょう。

        今は営業していなくとも、休眠しているだけという場合もありますし、
        「万が一」ということは、常に考えておかなければなりません。

  4.事業目的の検討

    「事業目的」とは、会社を設立しこれからどのような事業をしていくのかを明
    確にすることです。

    会社(法人)としてのビジネスは、定款に記載された事業目的の範囲内での
    み活動できます。

    逆に言うと、定款に記載されていない事業はやってはいけないのです。

    最悪の場合、「目的外取引」となり取引自体が無効になることだってあり得
    るのです。

    ですから事業目的は、慎重に決めなければなりません。


     ・「これからやる事業」「将来的にやりたい事業」は全て盛り込む

       やりたい事業があるから会社を設立して起業するわけですから、これ
       からやる事業
についてはもう決まっていることでしょう。

       そしてもう一つ、将来的にやりたい事業についても、この時点で盛り
       込んでおくべきです。

       というのも前述の通り、会社の事業は定款に記載されたものしかでき
       ません。

       定款に記載された事業以外の事業を行うには、所定の手続を踏んで
       定款を変更しなければなりません。

       手間も時間も費用もかかります。

       ですから、会社を設立する時点で「将来的にやってみたい事業」があ
       るならば、この時点で盛り込んでおいたほうが、後々楽なのです。


    ・「営利性」「明確性」「具体性」「適法性」

       事業目的には、これらの4つが求められます。

       どんな事業をするか?、将来やりたいか?が見えたら、次はこの4つ
       の要件に照らし合わせていく必要があります。

       新会社法の施行以後、この4要件は緩和されてきてはいますが、でき
       るだけ4要件に合致させた方が失敗は少ないでしょう。

       ※吉田事務所では、4要件に基づいた事業目的の起案を行っていま
        す。事業目的について悩んだときはご利用ください。
        (件数に関わらず 15,000円、ただし会社設立書類作成、手続一
         括代行をご依頼の場合は無料)


  5.本店所在地の検討

   本店とは会社の本拠地となる事務所、いわゆる「本社」の事です。
   企業活動の拠点になる場所です。

   多くの場合、開業当初は自宅兼事務所という形で自宅住所に本店を置くこと
   になると思いますが、定款や登記簿に記載するときにちょっとしたコツがあり
   ます。

   一つは、最小行政区画で記載する方法。
   例えば「本店は、札幌市東区に置く」という書き方。

   もう一つは番地まで記載する方法。
   これは、「本店は、札幌市東区北11条東11丁目3番7号に置く」という書
   き方。

   どちらを選んでも、構わないといえば構わないのですが……例えば前者の場
   合は、登記申請前に番地までを決めなくてはなりません。

   しかしその後の変更は、行政区画、つまり上記の例で言えば「札幌市東区」の
   範囲内であれば定款を変更する必要はありません。

   後者の場合は、番地などをあらためて決めることなく登記申請が可能ですが
   変更するときは、出資者の同意をとらなくてはいけなくなります。

   手続の手間などを考えると……
   個人的には前者がオススメなですが……。

  6.資本金の検討

   旧法では有限会社で300万円以上、株式会社だと1000万円以上という資
   本金の最低額が示されていました。

   しかし今回の会社法では、誰でもが資本金1円から会社設立が可能にな
   ります。

  ・資本金1円からの設立は可能だけれども…

   制度が変わったからと言っても、資本金の額が会社の対外的信用力を測る
   バロメーターであるという感は否めません。

   そこで、会社の規模や業種、事業にあわせた資本金額の検討が必要に
   なります。

   例えば、機械や車両などの大きな設備が必要な場合は、もちろんそれなり
   の金額が必要になるでしょうし、逆にパソコン1台、身一つから始められよう
   な事業ならば低額でもいいでしょう。

   「資本金をいくらにするか?」このあたりも重要な検討課題になってきます。   

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